仕事の依頼を**「おまかせください!」とうけたものの、取りかかってみると意外と大変で、あとで「やっぱりできません」と泣きを入れる**ハメに……
これではカッコ悪いし、評価もガタ落ちでしょう。
一方、最小の労力で最小の成果しか出していないのに、[期待を超えた」と最高の評価を受けている人がいます。
いったいなにが違うのでしょうか?
今回はもっとも大きな違いである「期待値コントロール」について、お話します。
評価とは、成果から期待を差し引いたもの#
まず、評価とは得られた成果からもともとの期待を差し引いたものです。
- 評価=成果ー期待
そのため、
- 成果>期待:よくやった
- 成果=期待:まあいいね
- 成果<期待:ふざけんな
という図式が成り立ちます。
したがって、期待を超える成果を出す(成果>期待)には
- 成果を増やす
- 期待を減らす
のいずれか(もしくは両方)が必要です。
期待を超える方法は、成果を増やすだけではない#
期待を超えるぞ!と意気込む人は「成果を増やす」方に走ってしまいがちです。
もちろん、それができるに越したことはありません。
しかし使える時間は有限ですので、成果を増やすのが無理な場合もあります。
また、下記のように無駄にハードルが上がりすぎているとしたら、そもそも負け戦でしょう。
- 相手が期待しすぎている
- 自分が期待値を上げすぎてしまった
「ハードルが高いなら、もっと高く飛べばいい」には限界があります。
そこで考えるべきは、いかにハードルを下げるか。つまり**「期待を減らす」こと**です。
突っ走るより先に、一度立ち止まって、期待値を適正化しましょう。
期待値はコントロールできる#

ものごとに対する期待値を決めるのは人です。
そして人は主観でしかものごとを見られず、主観はTPOや人の意見で簡単に変わります。
したがって、期待値はコントロールが可能なのです。
もちろん、数値目標(売上など)を提示されることもあります。
数字には主観が入りようがありません。
しかし、その数字を決めているのは人間であり、その人の主観であることもしばしば。
無邪気な「目指せ売上XXXX万!」は実は根拠レスだったりするものです。
ときには図太く**「そもそもなんでこんな数値目標なんでしたっけ?」**と聞いてみましょう。その目標、だたのノリで決められただけかもしれません。
期待値を下げにかかる#

たとえば、上司から
パイセン: XXXという事情で1週間後までにこのプロジェクトの見積もりが必要なんだけど、やってくれない?
と依頼されたとします。
それに対する受け答えを考えてみましょう。
例1
NAE: 承知しました。 一旦金額出すので、過去資料をください。
やってしまいがちですが、ダメです。痛み目見ます。絶対にやめてください。
例2
NAE: 1週間は感覚的に厳しいですが、できるところまでやってみます。 過去資料をください。
期限が厳しいと伝えているぶん例1よりはマシですが、まだまだダメです。
例3
NAE: 1週間で出すのは難しいように思います。 まずは過去資料を見たうえで、期限内に出せるか相談させてください。
及第点です。次回の相談時点で、現実的にどこまでできるかすり合わせできます。しかし期待値はまだ高いままなので危険です。
さて、期待値を下げるための解答は・・・
NAE: 1週間後、先方となにを議論しなにを決めたいのか、その際にどの粒度の金額が出ていれば問題ないか、教えてください
または
NAE: 過去の類似プロジェクトの事例をベースにした1000万円単位の粗い見積もりであれば2日程度で出せます(本当は1日でできるけど)が、それ以上の精度は1週間では無理です
さらに建設的にいうなら
NAE: また、手持ちの他の仕事との兼ね合いもあり、1週間で先方への説明用パワポまで作り込むのは厳しいです。見積もり結果と算出根拠を記載したエクセルのみなら可能ですが、それで問題ありますか
このように、**正当な根拠をもってゴネる(期限やアウトプットの質・量を交渉する)**ことで期待値を下げることができます。
ゴネ方については、こちらの記事で具体的に聞くべき質問とともに解説しています。お時間があればどうぞ。 仕事の無茶振り対策に有効な「5つの逆質問」
下げた期待値を1ミリだけ超える#

期待値を下げに下げました。あとはそのハードルを超える成果を出すことに注力します。
さて、期待を大きく上回る成果。とても魅力的な響きですね。得られる評価も高いでしょう。
このチャンスに**がっつり期待を上回って高評価をゲット・・・**なんてことを考えてはいけません。
そんなことすると遠からず自滅します。
期待値はインフレする#
人の欲というのは恐ろしいもの。
一度すばらしい体験をすると、期待値のベースがぐんと上がります。
そして次回もまた、今回と同じくらいのポジティブサプライズを望むようになります。
期待値はインフレしていくんです。
インフレがすぎると自滅する#
インフレしてしまった期待値を上手に下げられる保証はどこにもありません。
もし下げられたとしても、前回の上回り具合を超える成果を出せるとも限りません。
もしできなかったら、その先には怒涛の低評価が口を開けて待っています。
評価=期待ー実績 です。実績が追いつかないレベルの期待をされても困りますよね。
期待を1ミリだけ超えること#
そのため、目の前の誘惑に負けず、期待を超えるときは1ミリだけことを肝に銘じてください。
たとえば先の見積もりの例であれば、
- 1週間後でなく、4日後に粗い見積もり結果の数字のみチラ見せしにいく(意外と早くできたんです、という感じで)
- 見積もり根拠のExcelファイルに、少しレイアウトを調整すればそのまま投影&説明に使えるサマリシートを追加しておく
といったように。
ほんの少しのポジティブサプライズを加えるくらいで十分です。
まとめ:大風呂敷を広げず期待値をコントロールしよう#
以上、大風呂敷を広げると痛い目を見るのでハンカチくらいにしておきましょうというお話でした。
ただし、あまりに露骨に期待値を下げにかかりすぎると
パイセン: (こいつゴネてばっかで使えないヤツだな・・・)
と思われてしまいます。期待されないというのもこれまたツラいもの。用法用量には十分ご注意ください。


