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仕事がつまらない? 急速に腐りゆく「意識高い系」新入社員に贈る言葉

巨人の肩の上に立て思考力・行動力

新年度が始まって5ヶ月ほど。新入社員のみなさまの中にはやっぱり仕事がつまらないと思いはじめる人がいる頃合いです。

期待いっぱいのピチピチ新人時代はとうに過去の遺物……

実務の現場に投入されてやる気は復活するも、任されるのはつまらない末端作業……

とにかくやれやこなせの精神で、先輩や上司に叱られながら目の前の作業に没頭する日々……

 

「本当はこんなハズじゃなかった」

「オレはもっとできるはずなのに、うまくいかない」

「私はもっと楽しくて、創造的で、好きになれる仕事がしたかった」

「この仕事、この会社を選んだのは正解だったのか?」

 

……モチベーション高めな「意識高い系」の新入社員にほど、こう思ってしまう人が多いのが実情です。

理想と現実のギャップに悩み、だんだんとふて腐れ、ゆくゆくは本当に腐ってゆきます。

そして一度マインドが腐ってしまった人が自分で復活したり人にサルベージしてもるのはとても難しいもの。

だからこそ入社初年の夏の終わり、急速に腐りゆくタイミングの今だからこそ贈りたい言葉があります。

「巨人の肩の上に立て」

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「巨人の肩の上に立つ」とは

「巨人の肩の上に立つ」は、アカデミアの世界で語り継がれる言葉です。

自分一人で見渡せる地平は限られている。しかし巨人の肩の上に立つとより遠くまで見渡せる。

転じて、新しい研究や発見を目指すなら、先人の積み重ねてきた功績・発見・知恵や知識(巨人)の上に立つべきだ。

……という意味を持っている、研究者であれば誰しもが知っているほど有名な金言です。

論文検索サービスであるGoogle Scholarのトップページに書かれている言葉でもあります。

参考 巨人の肩の上 – Wikipedia

意識高い系の新入社員が急速に腐る理由

ではなぜ「巨人の肩の上に立つ」という言葉を贈りたいのか。

ポイントは、意識高い系の新入社員が腐っていく理由にあります。

競走馬になりがちな新入社員

前しか見えていない競馬の競走馬

意識高い系新入社員が腐りゆく直接の原因は、視野の狭さです。

あなたは目の前の作業だけに没頭してしまっていませんか?

とにかく手持ちの仕事を終らせることだけに執着していませんか?

もしそうだとしたら、あなたは今、競馬の競走馬のように前しか見えない状況に陥っています。

いえ、競走馬ならまだ良いかもしれません。むしろ5メートル先の地面しか見えていない可能性があります。

視界に流れてくるのは無機質な土や砂。やる気にかまけて走ってもそれはずっと変わらない。

そしていずれ、走ることに疲れて無力感にさいなまれていく……それが「腐る」ということです。

「穴掘り拷問」で歪む自己認識

実は、これと同じ構造をした拷問があります。

穴を掘っては埋め、埋めては掘るを繰り返させる「穴掘り拷問」です。

自分のやっていることは無駄である。転じて自分は無駄な存在である。そう体に覚え込ませることで意欲を削いでゆく。

第二次大戦中にアウシュビッツ強制収容所で行われていたこの拷問は、捕虜の心をへし折るのにとても有効だったと言います。

もうおわかりですね。足元の土や砂しか見えない中でひたすら走らせられる、つまり効果の見えない仕事を次から次へとやらされるのは、まさに「穴掘り拷問」なのです

仕事はそのようなものだと始めから一定の「諦め」を持っている人ならまだ耐えられる時間は長いかもしれません。

しかし「自分は大業をなすに値する存在だ」と信じてやまない意識高い系の新入社員ほど、この拷問的な作業を通じた自己認識の落差に悩み、急激に心の腐敗が進んでいくのです。

腐りかけのマインドを救うために必要なこと

ではどうすれば心=マインドの腐敗を防げるのでしょうか。

ポイントは、「成功の実感」と「鳥の目」です。

成功の実感

成功の実感とは、自分の仕事が誰か/何かの役に立っていると感じることを指します。

たとえば、自分の作った成果物に対して「これのおかげで助かった」というコメントがもらえたとしたらどうでしょう。自分はこの人の役に立ったんだと一気に心が晴れると思います。

ひたすら目の前の仕事に注力し続けてしまうあまり「自分の仕事のお届け先」からのフィードバックをもらう機会に恵まれないと、このような成功の実感を得にくいものです。

あなたはただの歯車ではなく、感情を持った一人の人間です。

作業の手を止めて、自分の作った成果物がいったい誰に使われ、役に立っているのか。確認してみると良いでしょう。

鳥の目

しかし、そのためには自分が仕事の全体の流れのどこにいるのかを把握しないといけません。

そのために必要なのが「鳥の目」です。地面をかけずり回って成果物を生み出し続ける「虫の目」ではなく、より視点の高い「鳥の目」で仕事の全体像を俯瞰するのです。

あなたの生み出した成果物が行き着く先は、レビューを行う上司ではありません。上司のさらに上の人、そのさらに先にいるクライアントかもしれません。

さらに、成果物を見た人が何をどのように判断するのか、それによって誰がどう動くのか。

「鳥の目」を持つことで、こういった作用の連鎖が見えてきます。すると目の前の作業が誰の役に立つのかがわかってくるでしょう。

だからこそ、巨人の肩の上に立つ

この「鳥の目」を与えてくれるものこそ、先人の知恵や知識です。

だからこそ腐りかけたあなたがやるべきことは、先人に知恵や知識に学ぶこと、すなわち巨人の肩の上に立つことなのです。

ここでいう先人とは、過去の偉人や著名人のみを指すものではありません。会社の先輩や上司だって立派な先人です。

たとえば、上司に頼んで今担当している作業を俯瞰する資料をもらってみる。今どのようなプロジェクトが動いているのか全体像を教えてもらう。所属組織が会社のなかで果たすべき役割について聞く……

このように、身近な先人から知恵や知識を学ぶだけでもあなたの視野はガッと広がることでしょう。もちろん関連書籍を読むのでも全くかまいません。

仕事がつまらなく感じるのは、大きな目的や全体像が見えないから、そして見るために必要な知識が足りないからなんです。

まとめ:「つまらない」は学びのサインである

とどのつまり、今の仕事がつまらないと感じるのは学びが必要なサインだということです。

今のあなたが見ている範囲は、大きな世界を小さく切り取った一部分に過ぎません。

そこだけを見て、自分が何の/誰の役に立っているかがわからないまま「つまらない」と嘆き、腐りゆくのはもったいないとは思いませんか。

視野を広めるために、空いた時間で社内の資料を漁る、上司を質問責めにする、担当する業務に関連する本を読み漁るなど、学びの時間を取ってみてはいかがでしょうか。

仕事は全体像が見えた瞬間、おもしろさが倍増していくものですよ。

新しい職場でいち早く活躍するために読むべき3冊の本
新しい仕事、新しい職場、新しいプロジェクト。何も知らない自分がいち早く居場所を作るには、本を3冊読むことが一番の近道です。

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