ぼくはかなり負けん気が強いほうですが、「どれだけがんばっても勝ち筋が見えない」とわかるとサクッと勝負を流す、玉虫色の人間です。
今の実力で力いっぱい背伸びすれば勝てる相手なら全力であたりますが、どうストレッチしても勝つ戦略が出てこないなら、「いま戦っても勝負にならない」と、素直に引きます。
そういうときは毎回
「あいつはすごいなあ」
「やっぱり自分は凡人なんだなあ」
と思うのですが・・・
ここでいつもグッとこらえて、こう思うようにしています。
だからって努力まで諦めちゃダメだ
そんなことを思ったので、少し自分語りをします。
外資コンサルはタレントだらけである
ぼくは外資コンサルに勤めています。
とても厳しい世界でして、まわりを見ると、あきらかにぼくよりデキる人間がゴロゴロしています。
30代前半でパートナー(部長クラス)になる人間や、入社1年目で社長報告のプレゼンをこなしちゃう人間。
突出したスキルでクライアントにぶっ刺さり、億単位の案件をポンポン持ってくる若手すらいる始末。
そんな天才みたいな人間たちに囲まれているのは、とても刺激的な日々ではあるのですが……
ただの凡人は振り落とされる瀬戸際であがく
かたや、ぼくはただの凡人なわけです。
30代中盤ですけど、普通の底辺管理職です。
社長報告プレゼンなんて、テレビの中でしか見たことがありません。
突出したスキルがあるわけではありません。「広く浅くいろいろ知ってる」だけで、別に案件を取ってこれるわけでもありません。
もちろんクライアントにぶっ刺さったり、マウントを取って有利に仕事をすすめたりはできます。
しかし、なみいるタレントの中では、そんなこと「できて当たり前」。
そして毎年の人事評価では、天才肌のタレントたちと同列に並べられる。
「あいつはこんな目覚ましい成果を出したんだ」
「こいつは対外的にインパクトのある仕事を成し遂げたんだ」
バンバン飛び交うポジティブ評価の応酬のなか、自分のなしたことはとても矮小に見えてしまう。
もちろん彼ら・彼女らも、相応の努力をしてきているはず。努力する天才は強い。とてもじゃないけど勝てません。
ぼくみたいな努力する凡人は、そうやって振り落とされる瀬戸際で、なんとか平均以上の結果が出るように、毎年毎年生き残っています。
凡人の自分が生き残る処世術は「腐らない」だった
そうした厳しい状況の中で凡人として生きていると、だんだんと生き残るすべが身についてくるもの。
ぼくがいきついたのは、「勝負は諦めていいけど、努力は諦めない」でした。
タレント軍団には負けてもいいんです。短期的な勝負は諦めるべきときもあるんです。
だたそこで腐って努力を止めたら、すべてが終わります。
生き残るために前に進む原動力が失われれば、あとは奈落に落ちていくだけ。
しかし粘り強くしがみついて歩き続ければ、いずれ勝機が訪れます。
勝負は実力ではなく、勝機で決まることが多々あるもの。
だからこそ、勝機を逃さないために、勝機を確実につかむために、努力だけは絶対にやめない。
努力の原動力である「マインド」を、絶対に腐らせない。
そうしてニッチな勝機を少しずつ、確実に勝ちにつなげていく。
正直、不格好です。派手さもありません。天衣無縫とはほど遠く、ハギレ布でツギハギのドレスを作るようなものですから。
でも凡人が勝つにはそれしかない。ぼくにはそれくらいしか思いつきませんでした。
でもそれで実際生き残れているので、きっと間違っていないんだと思います。
まとめ:諦めてもいいけど、腐らない
「諦めたらそこで試合終了ですよ」とよく言います。
時間制限のあるスポーツであれば、たしかにそうかもしれません。
しかし仕事は違います。リタイアするその日まで、休み休み、戦いは続きます。
そこで大事なのは、短期的に勝利をもぎとる技術や体力、上手に立ち回るための知識や戦略より、腐らず努力を続けて走り続けることだと思うんです。
圧倒的に負けたり、一方的にやり込められたり、打ちひしがれて歩みを止めたくなったり、「自分には無理なんじゃないか」と辞めたくなるときもあるでしょう。
でも勝負はそこからなんです。
目をかっぴらいて、歯を食いしばって、一歩前に進むのか。
性根腐って全部投げ出し、努力すらやめてしまうのか。
ぼくは「腐らず、努力をやめない」ほうを選んでいきたいと思います。
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