「目覚ましは朝6時にセットした。今は夜の12時。」
「6時間は寝られるな。」
……とはいきません。
寝つきが悪く寝に入るまでまで30分かかるなら睡眠時間は5時間半。
寝たいのに眠れない。入眠に時間がかかるほど、睡眠時間は目減りしてしまいます。
このめざわりな入眠時間、どうにかして短くしたい
そこで、ぼくが15年以上前から実践している秘密の入眠テクニックをご紹介します。
といってもそんなに仰々しいもんではありません。事前の準備はまったく不要。誰でも今夜から試せる手軽な方法です。
前置き不要、方法が知りたい!という方は、目次から「入眠のコツと手順」までジャンプしてください
入眠のコツを今まで秘密にしていた理由
恥ずかしかったからです
いや、テクニックというか手順そのものは至極まっとうなんです。
しかし着想が中二病まっしぐら、裏づける理論もなにもなく、ひたすら説得力に欠けるシロモノでして・・・
ただそんなテクニックでも15年間ぼくの入眠効率化に貢献してくれたことは確かです。それを自分だけの秘密にしているのはもったいない。
なので恥をしのんで公開することにしました。笑わずに最後までおつきあいください。
ではどうぞ。
入眠方法やコツを編み出した背景
この方法を編み出したのはぼくが中学3年生のころ。
高校受験を控え、ストレスでなかなか眠れない日が続いたことがあったのがきっかけです。
それまで一度も授業中に寝たことがなかったのに、眠れない日が続いた翌日、とうとう授業中に居眠りをしてしまったのです。
これはまずい、どうにかしなければ
そこで当時もちえた知識を総動員し、いかに効率的に眠りにつくかを考え始めました。
着想は剣道の「黙想」
ヒントになったのは、当時習っていた剣道です。
剣道では、稽古のはじめとおわりに「黙想」を行います。いわゆる瞑想ですね。
正座して背筋をのばし、両の手のひらを丹田の前に丸形に組んで目をつむり、呼吸を整え、心を鎮める行いです。
当時の剣道の先生が黙想の説明をしてくれたことがありました。彼いわく
「黙想とは、呼吸を整え身体と心を落ち着かせるだけではなく、荒ぶった気を鎮めるものでもある。」
ハッとしました。
この気を鎮めるというアイデアは入眠に応用できそうだ。
と思ったのも、黙想に一定のリラックス効果が認められたからです。
稽古後の黙想であれば疲れによるだるさが関係しているかもしれません。
しかし稽古の前であっても黙想を通じて身体と心がリラックスしていた自分がいたんです。
以後、「気」を切り口に入眠効率化への道を探っていきました。
おでこに感じる「気」に気づく
「気」を応用するには、「気」のしくみや根源を正しく理解しなければなりません。(そうやって安直に考えるのが中学生クオリティ)
当時のぼくにとって「気」といえばドラゴンボールのあれでした。集中すれば高まるし、なんなら丸めて放出できるし、当たったら爆発するやつ。
いやいや、あれはマンガだから。マネするのは無理だって。だって小学生のとき修行でせっせと腕立てふせをしたのにかめはめ波は出なかったでしょ。ドラゴンボールの「気」はフィクションなんだから。
さすがにそこは理解していました。にも関わらず、なぜ「気」について本気で考えたのか。
理由は、おでこに「気」らしきものを感じることができたからです。
ひとつ実験してみましょう。目を閉じて、人さし指をおでこ(眉間)の前に持ってきてください。
そして、指をおでこに近づけたり遠ざけたりしてみてください。
……指が近づくにつれ、おでこにじんわりしたものを感じませんか?
これ、いろいろな人に実験してみたのですが、感じる感じないは人によるようです。
当時のぼくはといえば、自分の指はもちろん、他人の指が近づいてもじんわり感じることができました。
ドラゴンボールには「気」を感じることで敵の位置を把握する様子が描かれています。「気」は空間を超えて感じとることができるのです。
そうか、おでこに感じるこれが「気」か
これが当時のぼくの結論でした。
「気」は身体を巡り、制御する
さて、「気」の正体がわかった(?)ところで、次に考えるべきはそれをいかに入眠に活かすかでした。
ここでふたたび登場するのがドラゴンボール。どんだけドラゴンボール好きなんだ自分。
ドラゴンボールには「気を消す」という技があります。「気で存在を察知」されるのを避けるべく、いわゆるステルス状態になるためのテクニックです。
気は増幅できる。1か所に集中させることもできる。なんなら消すこともできる。
これらの事実(?)から、当時のぼくは、「気」とは身体をめぐる血液のようなものなのではないかと考えるようになりました。
「気」は常に身体の中を循環していて、身体の活性・不活性を制御している。「気」を集中させれば強く早くなるし、逆におさえて鎮めればリラックスできる。
こうして改めて整理してみると、「気」の概念はハンターハンターに登場する念能力とよく似ています。身体の活性・不活性を制御するのは生命エネルギーたるオーラをその場にとどめる「纏」、そしてオーラを鎮める「絶」の話そのものですね。
眠れないのは「気」が高まっているからではないか
ここまでくれば話は簡単です。
高まった「気」をコントロールして鎮め、身体をリラックスさせれば入眠は早まる。
以上おしまい。
……と、そこまで簡単にはいきません。
- 実体が見えない体内の「気」をどうやって感じるか?
- 感じたとして、いかにコントロールするのか?
当時のぼくはここで非常に苦しみました。
「クリリンのことかーーーー!!」と叫べばいいとかそんなレベルではない。入眠となると単なる黙想とも違う。
その後、何年かかけて入眠のための「気」の制御をメソッドに落としていきました。
以降そのメソッドを順を追って紹介していきます。
独自開発した入眠方法、手順とコツ
それでは本編です。
入眠のコツ、ぼくの秘密のテクニックをステップバイステップでご紹介します。手順はこちら。
- あおむけに寝る
- 全身の存在を感じる
- 眉間に意識を集中させる
- 末端から身体のスイッチを切っていく
- 眉間の集中を解放し、まぶたの力を抜く
- 鼓動を感じる
1つ1つ解説していきます。
1. あおむけに寝る
まずはあおむけに寝ます。うつ伏せや横向きでもできないことはないですが、最初はあおむけが一番やりやすいです。
後ほど意識を集中させるため、音や光など集中をさまたげるものはあらかじめ減らしておきます。
寝たら目を閉じ、呼吸を整えます。
そしてベッドやふとんに「自分の全体重がかかっている」ことを十分に感じてください。
2. 全身の存在を感じる
次に、自分の身体に意識を向けます。
頭のてっぺんから手先足先まで、すみずみに意識を行き渡らせていきます。
自分の身体の1ミリ外側に薄い膜が張っていて、鼓動でほんの少し身体が動くたびその膜に軽く触れるイメージです。
一度に全身は難易度が高いので、はじめは頭からつま先にかけてゆっくりと身体をスキャンするようにするとよいでしょう。
意識が行き渡った時点で、自分の中を流れる「気」の存在を感じている状態になっています。
3. 眉間に意識を集中させる
さて、全身の「気」の状態を掌握できました。次は「気]の制御にかかります。
1か所に「気」を集中させることで他の部分の「気」を鎮めていきます。
眉間に意識を集中させます。
集中させるといっても、眉間にしわを寄せるなど無理する必要はありません。
先ほどの目をつぶっておでこに指を近づける実験をしましたよね。
それで眉間に指が近づいたときにじんわり感じることができた人は、寝たままでその感触を再現してください。
できなかった人は、眉間の1センチ上空に浮かんだボールを眉間から出る気の流れで支えるイメージを持ってください。
もしそれでも感触が掴みにくければ、数秒間だけ眉間に指をあてます。指を離し、手を元の場所に戻します。
眉間にはまだ指があたってた感覚が残っていますね。それをなるべく長く感じ続けます。
この間にも、全身の力を抜いた状態はキープしてください。
4. 末端から身体のスイッチを切っていく
ここまでで、眉間に「気」が集中した状態になりました。
つまり眉間以外の部分、特に眉間から遠い手先足先などはそれだけ「気」が鎮まりリラックスしているはずです。
次はそれらの鎮まった部分の身体のスイッチを切っていきます。
「スイッチを切っていく」という感覚は少し捉えづらいかもしれません。
要するに、身体の末端から順番に「金縛り」にかけていくんです。
最終的には「頭は起きているけど身体は寝ていて動かない」状態を目指します。
ぼくの場合は、こういうイメージ持つとやりやすいです。
- 自分の意識から身体の一部を切り離す
- 切り離した部分はベッドやふとんと同化する
- 一度切り離した部分はもう自分の意思では動かない
- その範囲を広げていく
慣れてくると身体のスイッチが落ちていき、意識から身体が切り離されていくのを感じることができるようになります。
手先足先、手脚、胴体、首、そして顔の下半分と、順ぐりにスイッチを切っていってください。
5. 眉間の集中を解放し、まぶたの力を抜く
顔の下半分までスイッチが切れたら次のステップです。
ここまでは眉間に「気」を集中させることで身体を睡眠にいざなってきました。
今度は眉間の「気」を鎮め、リラックスさせてあげる番です。
ポイントになるのは目です。特に眼球とまぶた。
眉間に意識を集中させるとなると、多少なりとも
- 眉間にしわを寄せる
- まぶたを強めに閉じる
- 寄り目になる
という状態になるため、目のまわりは緊張してしまっているはずです。
そこの緊張感をほどくことで眉間の「気」を開放し、目のまわりをリラックスさせます。
眉間に意識を集中させるための道具、ありましたよね。眉間のじんわり感、1センチ上のボール、指で触った感触。
それらをはるか上空、遠くかなたにポーンとすっ飛ばしてください。
そして目を閉じたまま飛んでいった意識の塊をぼんやりと眺め、見えなくなるまで見送ってください。
少しずつ、まぶたと目の緊張がほぐれてくると思います。
6. 呼吸を感じる
ここまできたら最後の仕上げです。
頭の先からつま先まで、身体の緊張は完全にほぐれ、リラックスしています。
「気」は鎮まり、感じられるのは静かに安定した鼓動とゆっくりとした呼吸のみ。
その呼吸をありのままに感じていきます。ひたすら、
- 息を吸った、息を吐いた・・・
- 空気が入った、出ていった・・・
- 肺がふくらんだ、しぼんだ・・・
という動きそのものを受けとめるだけでOKです。
そうしている間に眠りについていると思います。
ここでひつじを数えるように呼吸を数えるのは逆効果です。
飛ばした意識がよみがえり、最初からやり直しになってしまう可能性があります。
大切なのは呼吸に集中することではなく、ただ感じること。
他のリラックス系理論との関連
ここまで一貫して「気」をキーワードに入眠方法とその裏付け(?)をご説明してきました。
もうみなさまお気づきの通り、このメソッドはあまりにもオレオレ理論が過ぎます。(正直自分でもあっているかわかっていない)
そのため睡眠やリラックスに関連する他の理論との関係ないのかな……? と気になったので、本記事へいただいたコメントをもとに関連する理論やエクササイズをまとめました。
コメントいただいたみなさま、ありがとうございます。
自律訓練法
本当に今すぐ役立つライフハックだ… / 「自律訓練法」の一種だと思います。ただ、自力で編み出したのはすごいです。
おもろい自律訓練法。
自分をシャットダウンする(強制的に寝る)方法。確かに、自律訓練法だな。自分は、自律訓練法と自己催眠を混ぜてやってる。
出典: chess-newsのコメント / はてなブックマーク
自律訓練法という手法の1つに分類されるのでは?とのご意見をいただきました。
人間の自律神経には緊張感を高める交感神経とリラックスさせる副交感神経があり、心身の状態によりいずれかが優位になります。
そこで自律神経を意識的に制御し、副交感神経優位の状態に持っていくことで、リラックス効果を得られるそうです。
参考 自律訓練法をやってみよう トップ | ウェルリンク株式会社
ヨガのポーズ
ヨガの「屍のポーズ」と同じ理論な気がする
ヨガのポーズにおける考え方との類似もご指摘いただきました。
屍のポーズ(死体のポーズ)においては、呼吸にあわせて27からカウントダウンすることで呼吸に意識を集中させるそうです。
マインドフルネス
怒りや不安が強いときには、マインドフルネスの雑念を取り払う部分だけやってもすぐ寝られる。
マインドフルネス。わかっててもなかなかうまくできないんだよな。
マインドフルネスそのものという声も。
マインドフルネスとは自分の身体や気持ち(気分)の状態に気づく力を育むエクササイズとのこと。瞑想の一種です。
脳は3次元の世界を感じるようにできているが、時間という4つ目の軸の存在も意識する必要があり、だからこそ疲れている。
そこで「今のみ」に意識を集中させることで脳を、そして身体をリラックスさせることができる、とのこと。
参考 一流の人が忙しくても瞑想を欠かさない理由 | リーダーシップ・教養・資格・スキル | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
自己催眠
これ自己催眠のテクニックだよ、特に体のパーツごとにスイッチを切るって感覚
自己催眠の手法にも関連があるそうです。
自分は身体のスイッチを切っている。身体はベッドと同化し、金縛りのように動かない。身体の筋肉は深い休みに入る。
自己催眠で「トランス状態」に入る前の「リラックス」の手法はまさにそのものという感じです。
参考 話題の自己催眠術、自己暗示のかけ方 | mentalism learning
妻に試してもらったら見事に効いた
この方法、実は効くのはぼくだけかも?
そう思って妻に試してもらったんですが、ものの見事に入眠しました・・・
これ、催眠の要素が入っているということで嫁さんにやったら一発で寝た。
ついでに、なぜか隣で寝つけずにいた息子(2歳)も寝た。入眠のコツ – 15年以上実践してきた秘密の入眠テクニックを公開します – NaeNote https://t.co/gPuSIDi45G
— NAE@ガジェット好き (@naenotenet) September 16, 2016
まとめ:入眠時間を短縮してたくさん寝よう
というわけで、「気」をキーワードとしたオレオレ入眠メソッドのご紹介でした。
特にコストがかかるわけでもなく、何の準備も必要なく、誰でも今夜から試せる方法です。
入眠に時間のかかる方、試すだけならタダですので、一度トライしてみてはいかがでしょうか。
この記事によって誰かの寝不足が解消されたら幸いです。
ほかにも眠気対策や眠気覚ましをいろいろ試しています。効果のあった方法をまとめましたのであわせてどうぞ。
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