「全ての仕事には意味がある」という言葉があります。
「どんな仕事をしたとしても、それはあなたの血となり肉となり長期的にあなたの役に立つ」という解釈が一般的かと思います。
でもぼくから見るとこれは甘えた解釈であって全くの間違いです。
今回は生産性の高さを求められるコンサルタントの考える「すべての仕事には意味がある」の本当の意味についてのお話です。
意味のない仕事はしてはいけない
コンサルタントの仕事をしている中でずっと一貫して叩きこまれてきたのは、仕事においては一切の無駄をするなということ。
たとえ1年目であってもコンサルタントの単価は非常に高い。そのぶん、クライアントはぼくたちに対して
- 成果に貢献する効率的な動き方をしているか?
- なにか無駄なことはしていないか?
という見方をします。
「このタスク、本当に意味あるの?」という問いを常にぼくたちコンサルタントに投げかけてくるのです。
それに対し、ぼくたちコンサルタントは「このタスクは成果につながる本質的なものです」と説明しきれる状態をキープする必要があるのです。
したがって、「全ての仕事には意味があるべきである」=「意味のない仕事などしてはいけない」が正しい解釈だと思っています。
全ての仕事を意味あるものにするには
コンサルタントの仕事はクライアントの成果達成に貢献してナンボ。
クライアントからの依頼内容によって貢献の仕方は変わるものの、貢献度ゼロの仕事には何の意味もありません。
成果とは、関係する人間の一挙手一投足の集合体によって実現されるものです。
では、それら1つ1つの動作を成果貢献に結びつけるものは何でしょうか。
段取りです。プランニング、作業計画、WBS、レベル感は様々ですが、段取りがきちんとしないと仕事に意味があることを確認できません。
成果達成に向けてやるべきこと、ゴール(What)を何階層にも分割し、最終的に必要な作業(How)まで洗い出す。仕事の段取りのツリー構造を作っていく。
そうして作成された作業の1つ1つは、元をたどれば成果に紐づきます。その段取りに従って仕事をしていれば、その仕事は無駄にはならないのです。
仕事の意味を見出す秘訣:視点を高く持つこと
仕事の意味を正しく理解し、本質的な仕事のみを行う。無駄な仕事を全くしなくなるためには、次の3点とそれらの連鎖・相関(ツリー構造)を理解する必要があります。
- この仕事がもたらすべき成果は何なのかというより高い視点(Why)
- 成果をもたらすためにすべきことは何か(What)
- 自分の目の前の仕事がそれにどう貢献するか(How)
よくコンサルタントは若手に「視点は高く持て」「2段階上の階層の人間が考えていることを理解しろ」と言います。
その趣旨は、
- HowだけでなくWhat、WhatだけでなくWhy、さらにその上位階層のHow、What、Whyを理解せよ
- そうすれば自分の目の前のタスクが何に貢献するのかが見え、やっていることの意味や全体像がわかる
- 逆に全体像が見えない中で目の前のタスクに集中するのは無駄だからやめろ
ということ。
伝統芸には理由があるんですね。
ここまで見えていれば、「未来の自分に仕事を振る」や「期待値コントロールにより最小努力で最大価値を生み出す」など生産性アップ術が使えるようになりますし、「管理のための管理」がいかに悪かも理解できるようになります。
ゆくゆくは「ハマる時間を短くする」時間術や「議事録を会議前に書く」技術、「アウトプットのコスト」まで意識できるようになっていきます。
まとめ:意味のある仕事をしていますか?
以上、意味ある仕事をしたければ仕事を構造化しなさいというお話でした。
方向性の間違った努力は無駄です。
正しい方向性を向くために、より高い視点で物事を見て、目の前のタスクの位置づけや意義(とその正しさ)を理解できれば、それは意味のある仕事になるのです。
Why/What/Howの階段を意識して「すべての仕事には意味がある」状態を作りましょう。
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