人の資質を明らかにするツール、ストレングスファインダー。
これを外資コンサル集団がやったらどのような結果になるのか?
有志で実験し、集計してみました。
コンサル企業への就活・転職を考える方の参考になれあと思います。
ストレングスファインダーとは
ストレングスファインダー®は、アメリカの世論調査と組織コンサルティングのギャラップ社が「人は自分の弱みを改善するよりも、自分の強みに意識を向けそれを活かすことで最大の能力を発揮する」という考え方に基づき開発したツールです。
自分の強みの源泉となる才能を、鏡のように客観的に「見える化」してくれるツールであると言えます。
(出典:ストレングスファインダーⓇについて | ストレングス・ラボ)
ストレングスファインダーとは、資質を見える化することで、自分やチームのパフォーマンス向上に活かすためのツールです。
仕事は人のスキルによって完遂され、スキルは資質の上に育つ……
ということで、自分の資質を知ることは成果の出やすい仕事を見極める良いインプットになります。
逆にチームメンバーの資質を知ることで適材適所のチーム編成ができるという面も。
自分にしろ会社にしろ、資質を知っておいて悪いことはありません。
ストレングスファインダーはそれを助けるツールです。
外資コンサルが共通して持つ資質とは?
さて、資質は母集団によって偏りが出るはずです。
外資コンサルの場合はどうなるのでしょうか。
有志を募り、実験をした結果を少しだけご紹介します。
母集団の構成
母集団である実験参加メンバーの編成はこちら。
- 管理職レベル:4人(うち1人はぼく)
- スタッフレベル:14人
計18人と母数としては少ないため、統計上の有意性は怪しいところ。
そのためあくまで1つの実験結果として捉えてください。
回答ルール
ストレングスファインダーでは、次々と画面に表示される177個の質問に対し、
- よく当てはまる
- 少し当てはまる
- どちらでもない
- あまり当てはまらない
- 全く当てはまらない
の5つから最も当てはまるものを選びます。
さて、こういった自己評価アンケートの場合、人によっては「自分はこうありたい」という願望ベースで答えてしまいます。
それでは自己評価の意味がないので、回答の尤度を高めるため、質問の表示〜回答まで10秒以内という制限をつけました。
結果集計のしかた
(出典:ストレングスファインダーの強みが属する4つの資質群とは?)
ストレングスファインダーでは、5個の「資質」が強み順に並んだものが結果として得られます。
自分一人で結果を眺めるのであれば問題ないのですが、複数人分をまとめるとなると34個中5個だけではあまりにバラけすぎてしまいます。
そのため、ここでは各要素をリーダーシップの視点からカテゴライズしたものを利用します。
- 戦略的思考力:常に先を読み、筋道を立てて集団を導く能力
- 実行力:アイデアを「捕まえて」現実のものにする能力
- 影響力:グループの主張を確実に周囲に伝える能力
- 人間関係構築力:グループ全体をまとめ、より大きな力へと変える能力
(出典:ストレングスファインダーの34の強みが属する4種類の領域とは?)
具体的な集計方法はこちら。
- 上位の資質ほど高得点になるよう重み付け
- リーダシップ別に得点を集計
- レーダーチャートにプロット
外資コンサルの資質トップ&ワースト3
実験結果のレーダーチャートはこちら。
ご覧のとおり、人間関係構築力と戦略的思考力に偏っています。
コンサルの仕事はクライアント(人も組織も)を動かして結果を出させること。
信頼されていないと言うことなんて聞いてくれません。
したがって、クライアントと人間関係を構築し信頼を得ることはコンサルとしては責務。
だからこそ人間関係構築力が重要だ・・・といったところででしょうか。
戦略的思考力というところは・・・先を見据えて人を導くのが仕事のコンサルですから、純粋にそういう思考の人が多いということだと思います。
コンサルタントの資質トップ3
それでは、具体的に「強み」と判断された人数の多かった資質を見ていきましょう。
3位:学習欲(戦略的思考力)
学習欲という資質を持つ人は、学習意欲が旺盛で、常に向上を望んでいます。特に結果よりも学習すること自体に意義を見出します。
コンサルティングファームの武器は社員です。
社員のスキルや能力こそが競争力の源泉。
そのため新しいことをどんどん吸収し身に付けることが、高いレベルで求められます。
また、複数のプロジェクトを転々とするコンサルタントの働き方からすると素早いキャッチアップ力は必須。
そのため、新しいことを学ぶことが好きでないと何もできません。
その意味で、学習欲が3位に食い込んでいるのはしっくり来ます。
キャッチアップ力とは?については下記記事で詳しく解説しています。
2位:達成欲(実行力)
達成欲という資質を持つ人は、並外れたスタミナがあり、旺盛に仕事に取り組みます。自分が多忙で生産的であることに、大きな満足感を得ます
コンサルは、生産性、ハードワーク、コミットメントという言葉が大好きです。
体力的にもタフな人が多いため、この結果はとても納得感があります。
ぼくも先輩コンサルから1秒も無駄にするなと教育されてきました。
自分の動きはすべて、成果に貢献するものでないといけないと。
まさに達成欲のカタマリといえます。
1位:個別化(人間関係構築力)
個別化という資質を持つ人は、一人一人が持つユニークな個性に興味をひかれます。異なるタイプの人たちの集団をまとめ、生産性の高いチームを作ることに長けています。
トップに来たのはやはり人間関係構築力。
中でも個別化はダントツで多かったです。
自分一人のみならず、チーム全体の生産性や成果達成を重要視している人が多い、ということでしょう。
コンサルはクライアントの人や組織を強める存在。人に動いてもらってなんぼなんですから。
コンサルタントの資質ワースト3
逆に、「強み」と判断された人数が最も少なかった資質のご紹介です。
3位:活発性(影響力)
活発性という資質を持つ人は、アイデアを実行に移すことにより結果をもたらします。じっとしていることができないことが多いものです。
活発性=「考えるより先に行動!」という意味ならば、たしかに少ないように思います。
ぼくのまわりでいえば、やるのは早いけど仮説でも計画を立ててからな人が多い印象です。
仮説ベースで考えるというか、行動を起こす前に必ず大きな方向性から外れなように見通しを立てるとうイメージです。
2位:運命思考(人間関係構築力)
運命思考という資質を持つ人は、あらゆる人や物事は互いに結びついていると考えています。この世に偶然というものはほとんど存在せず、ほぼあらゆる出来事には何らかの理由が存在すると確信しています。
少しスピリチュアルですね。
「すべては運命。この世に偶然はないのです。(映画「カンフー・パンダ」より)」
・・・なんて信じている人はたしかに見たことありません。
あらゆるものには理由がある、というスタンスはそうなんですが・・・
1位:規律性(実行力)
規律性という資質を持つ人は、日課や秩序正しい計画に従うことを好みます。世界は自分が作った秩序の中に存在します。
型破りで破天荒。
「このルールの目的って何よ?」
「もし目的の妥当性が怪しいならこのルール守る意味ある?」
と問う人はたしかに多いです。
そういう意味では規律性がワースト1なのは超納得です。
ぼく(外資コンサル管理職)の結果
ぼくの結果は下記チャートのオレンジ線でした。
アホみたいに人間関係構築力に全振り。参加メンバーの中でダントツでした。
戦略的思考力と影響力がかろうじてすこし出張ったあと、申し訳程度に実行力が顔を出しています。
トップ10は以下のとおり(こちらを参考にフルレポートを購入しました)。
- 個別化(人間関係構築力)
- 調和性(人間関係構築力)
- 親密性(人間関係構築力)
- 学習欲(戦略的思考力)
- コミュニケーション(影響力)
- ポジティブ(人間関係構築力)
- アレンジ(実行力)
- 最上志向(影響力)
- 分析思考(戦略的思考力)
- 成長促進(人間関係構築力)
人間関係構築力の文字が踊っていますね。その他の資質も人を動かす系のものばかり。
どうやらぼくは人ったらしのようです。
まとめ:資質を見極めてみませんか?
以上、外資コンサル集団のストレングスファインダー集計から見るコンサルタントの資質でした。
母数が少ないため統計上の有意性は怪しいですが、なんとなくの傾向は見えてきたように思います。
資質は土壌、スキルは作物、スキル開発は農作業。良い土壌であれば作物はよく育ち、成果が出やすいもの。
自分の活躍しやすい職を選ぶために、まずは自分の資質を知るところからはじめてみませんか?
下記書籍を買うと、ストレングス・ファインダーのWeb診断を受けるためのアクセスコードが手に入ります。
なおこちらの本、2,000円くらいします。
2,000円ぽっちで資質がわかるなら安いもんじゃないか……と個人的には思うのですが、もし値段にハードルを感じるなら、無料で受けられるグッドポイント診断という手もあります。
ただし中身は全然別物なので、そこだけご注意ください。
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