著書「外資系コンサルは無理難題をこう解決します」発売中
PR

ビジネス文書で使う「ビジネス日本語」はなぜあんなに独特なのか?

ビジネス文書 資料 紙 マーケティング 棒グラフ 円グラフ 折れ線グラフ 資料・文書

こんにちは、NAEです。

ビジネス文書を書くときに使う日本語、いわゆるビジネス日本語ってものすごく独特ですよね。

端的に書け!と言われますが、それを突き詰めると、短くシャープに、誤解なく、漢字が多め・・・などなど、ブログで良いとされている書きっぷりとはまさに真逆になります。

そこで、ビジネス文書用の日本語でブログ記事を書いてみたらどうなるか?の実験をしてみようと思います。

今回はそんなお話。

スポンサーリンク

ビジネス文書 vs ブログ記事 良いとされる日本語の比較

まずは、ビジネス文書で良しとされている日本語とブログ記事のそれを比較してみましょう。

比較観点 ビジネス文書 ブログ記事
重点 一意に伝わること 読みやすいこと
文長 極力短く 長くてOK
言葉 シャープさ重視 わかりやすさ重視
漢字 多め 少なめ
語尾 ビシっと やわらか

同じ日本語なのに、簡単に比較してみただけでもこんなに違うんですね。(ぼくも仕事でビジネス文書を書くときとこうしてブログを書いているときで脳みその使われている場所が全然違います・・・)

ビジネス文書向けの日本語を使うことで、全く同じ内容でも文字数をキュッと圧縮できそうな気がします。人力Zipですね。

ビジネス文書向けの日本語でブログ記事をリライトしたらどうなるか

では、フレンドリーな口語調でわかりやすさ重視なブログ記事をビジネス文書向けの日本語にリライトしたらどうなるんでしょうか?

本ブログの過去記事の一節をピックアップして、

  • いかに文の雰囲気が変わるか
  • どのくらい文字数が圧縮されるのか
  • 漢字の比率は
  • 読みやすさの差は

といった部分を比較してみたいと思います。

ピックアップするのはこちらの記事。MENSA出身の超できる先輩コンサルとぼくのやりとりを口語調で書いたものです。

議事録を会議前に書き終える?元MENSAの敏腕コンサルに学ぶ会議の極意
超デキる先輩コンサルに教わった、会議のデザインと準備の極意。それは、会議前に議事録を書き終えること。

一部抜粋して、ビジネス文書調に書き換えてみます。

ブログ記事バージョン

会議ってやってみないとわからないじゃないですか。あっちが何言うかわからないし、突然別の話題を振ってくるかもしれないし。議事録の中身まで事前に書ききるなんて無理ですよ。

「と思うだろ?それができるんだよ。プロジェクトを取り巻くクライアントの状況を、マネジメント(経営層)レベルの視点で理解できていればね。」

「プロジェクトって要は会社全体が将来に向かって変わっていく活動の1つだろ。プロジェクトにおける1つ1つの意思決定はその将来と同じ方向を向いているべきなの。」

「となると、全体の状況を踏まえるとプロジェクトはこう向かうべきだ!と言えれば誰も文句は言わないし言えない。もちろん現場の意見も大事だから聞くんだけどね。」

「ほら、よく2段階上の人の視点でものごとを考えろっていうでしょ。これこれ。」

うーん、わかるようなわからないような・・・。

「たとえば、A案とB案どっちかを選ぶって議題があるとするでしょ。短期的なプロジェクトの成功だけを視野に入れると絶対にA案なんだけど、視野を広げて全体最適を考えるとB案が正しい。そんなとき、どっちを選ぶ?」

B案・・・ですかね。

「正解。でもただB案を押し通すだけじゃなくて、大枠はB案だけど細かい進め方的なところに現場の意見を取り入れたB案改で通すようにするのが大事ね。現場の協力得られないと、いくら決めてもものごと進まないから。」

なるほど・・・。

★決定事項の中身は、本当に正しい道を見極められれば自ずと決まる

以上、文字数:638文字。漢字使用率:23.7%。

ビジネス文書バージョン

先方の発言は予測困難のため、会議前の議事録作成は不可能と考える。

「プロジェクトの背景や状況を経営視点で理解すれば可能である。」

「プロジェクトは企業活動の一部であり、意思決定の方向性は全社方針と一致すべきである。」

「従って、意思決定の内容が全社方針に基づく場合、関係者の合意形成は容易と考える。一方、関係者の意思も考慮する必要がある。」

「より高い視点をから検討するということである。」

具体例で説明いただきたい。

「A案とB案から1つ選択する場合を考える。短期的なプロジェクトの成功のみ考慮するとA案が適切である一方、全体最適の観点からはB案が好ましい場合、いずれを選択すべきか。」

B案と考える。

「正しい。ただしB案の実行アプローチに現場担当者の意見を反映する等、現場担当者の協力を得るための配慮が重要である。」

理解した。

★決定事項は本質的に正しい方向性に沿う

以上、文字数:377文字、漢字使用率:39%。

結果:ビジネス日本語は端的だけど読みにくい

文字数は678文字から377文字。圧縮率は55%でした。

漢字使用率は23.7%から39%へ15.3ポイントの増加しています。

やっぱりビジネス文書風の日本語にすると短いんですね。また熟語が増えるため、意味が明確に、かつ漢字の量が増えているようです。

一方、読みやすさは損なわれているように感じました。文の雰囲気もお硬いですね。読む理由がなければ読みたくなくなってきます。

まとめ:ブログ記事は口語調がいいですね

というわけで、ビジネス文書で使う日本語はやっぱりビジネス用だったというお話でした。

上に紹介したMENSA記事の中でも書きましたが、ビジネス文書での日本語、いわゆるビジネス日本語って慣れないと使いこなせない。

この商習慣、なんなんでしょうね?ビシっとした言い方をしないと頭悪そうに見えるからでしょうか。それとも紙の節約?だとしたら時代錯誤だよなあ。

調べて何かわかったら、また記事にでもしてみたいと思います。


 

コメント

コメント以外のご意見・ご要望、管理人へのご連絡などは、お問い合わせからどうぞ

タイトルとURLをコピーしました