「会社携帯を持ってるなら、勤務時間外でも電話に出てあたりまえだろ?」
こんなコメントが、一緒にランチをしていた友人から飛び出しました。
それは違うだろ……と説明したら、理解はできるけど納得はできないという表情で「うーん」となってしまいました。
こういう認識の人、けっこう多いのでしょうか?
ということで今回は、「会社携帯を持っていることと、勤務時間外に24時間265日対応することは別モノだ」というお話をしたいと思います。
会社携帯持ち=いつでも対応、という認識を持っている人はぜひ参考にしていただければと思います。
会社携帯を持つ目的
そもそも、会社携帯を持つ目的は複数あります。
勤務時間外の緊急連絡のため
1つ目は、勤務時間外の緊急連絡のため。
- 重要なシステムの夜間トラブル対応
- やむをえない深夜の資料レビュー
- 夜間シフトの在宅ワーク
このように、緊急かつ重要な状況にフレキシブルに対応することを目的に、会社携帯を持ってもらうことがあります。
冒頭の友人の弁と同じですね。
セキュリティのため
2つ目は、セキュリティのため。
社員個人の携帯、特にスマホに会社のデータを持たせるのは、セキュリティリスクです。
「共有」ボタンひとつで簡単にデータ漏えいにつながるからです。
もちろん、BYOD(Bring Your Own Device:個人端末の業務利用)とセキュリティを両立するモバイルデバイス管理ソフトウェアで一定は防げるでしょう。
ただそれら仕組みに出せるコストがリスクとバランスしない場合、会社携帯を支給するほうがコスパが良いことも多いのです。
通話料を会社持ちにするため
3つ目が、通話料を会社持ちにするため。
そもそも仕事の経費は会社が持つことが原則です。個人の携帯を仕事で使った場合も、かかった費用は立替経費として請求して然るべきです。
しかし通話料の場合、通話目的(私用・仕事)の判断が難しいもの。個人携帯を仕事で使ったらそのぶんは自腹になるのが実情です。
そのため、あきらかに仕事でたくさん電話を使う人に対しては、会社携帯を支給して通話料など会社持ちにすることがあります。
「会社携帯持ち=いつでも出ろ」は暴論すぎる
このように、勤務時間外の緊急連絡は、あくまで会社携帯を支給する理由の1つにすぎません。
ほかの目的で会社携帯を持っている人がいることも認識するべきでしょう。
それを無視して「会社携帯を持っているなら、いつでも電話に出るべきだ」と強要するのは、「LINEやってるならいつでも1分以内に返信するんだよね?」と言っている人と同じでしょう。
パワハラと取られても仕方のない行いといえます。
勤務時間外は会社携帯の電源を切っておいてもかまわない
では会社携帯を持っている人が、そのような「いつでも出ろ」な人に対応するにはどうすればいいのでしょうか。
ド直球で考えると、「いつでも出ろ」な人に「私はその目的で持っているわけではない」と伝えることになると思うのですが、人の認識は言葉だけで簡単に変わるものでもありません。
なので、行動で示しましょう。「24時間いつでも着信できる」状態を作らないようにしするのです。
- 勤務時間内の連絡のために持っているなら、勤務時間がおわったら電源を落とす
- 夜間対応のために持っているなら、夜間だけ起動させておく
最初は反発を招くかもしれません。しかしそこでめげてしまうと元のもくあみ。「こいつはこういうキャラなんだ」と思われるまで続けましょう。
相手の行動を変えるには、こちらが行動で示すのが一番なのです。
まとめ:相手目線で考えよう
「自分はこういう認識だから、相手もそう思っているだろう」
この思い込み、パワハラの源泉です。
- 自分の認識がパワハラまがいのものになっていないか?
- 知らないうちに他人に自分の認識を押しつけていないか?
ときおり自分を省みて、相手目線で考えられるようになるといいですね。
コメント