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雲体風身に学ぶ見える化の効果。組織の潜在能力を引き出すために

雲体風身の術 人と組織

こんにちは、NAEです。

マンガ、ドラマ、アニメ、映画・・・いろいろなエンタメを見ていてもついつい仕事に使えるアイデアないかなと考えてしまいます。効率・生産性マニアの悪い癖です。

最近は管理職としていろいろと案件を回す中で、そういえばこんな学びがあったっけ、ということを思い出しました。

今回はそんなお話。

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雲体風身とは

雲体風身とは、月刊少年マガジンに連載中のマンガ「龍狼伝」に登場する体術(仙術)です。

龍狼伝は三国志を舞台としたバトルもの。あらすじはこんな感じです。

中国へ修学旅行に向かう途中、飛行機に乗っていた天地志狼と泉真澄は、突如現れた龍に飲み込まれ、207年の中国へ時間移動する。三国志の時代の人々は、龍に乗って天から降りてきた2人を「竜の子」と神聖視し、否応なく戦乱へと巻き込んでいく。

出典:Wikipedia

主人公である天地志狼は、ものごとの本質を瞬く間に見抜き、身につけてしまう天賦の才を持っています。

英傑うごめく乱世の三国時代において、歴戦の猛将や軍師、仙人から多くを学び、修め、心技体ともに「竜の軍師」として成長していきます。

さて、物語の中で天地志郎が仙人・左慈から学ぶのが「雲体風身」。自身の身体能力を100%引き出すことで常人をはるかに凌ぐ力や身のこなしを手に入れる仙術です。

http://gmaga.co/content/kc_up/image/EVE/8298.jpg

出典:www.gmaga.co

人間は身体機能を維持するために本来の30%定度の力しか出せないように無意識で制御されています。

雲体風身はその制限を外すための技、ということですね。
そのぶん身体への負担は大きいため多用はできません。

イメージとしてはNARUTOの登場人物ロック・リーが使う「八門遁甲」に似ているでしょうか。

http://narutonti.com/wp-content/uploads/2013/08/naruto_10_076_mini-e1376068507273.jpg

出典:narutonti.com

雲体風身の教え:見えないものは管理できない

雲体風身のしくみは次のように説明されています。

http://fun.ap.teacup.com/jampgptwmjad/timg/middle_1259072914.jpg

出典:fun.ap.teacup.com/jampgptwmjad

雲体風身を修めるために仙人から志狼は何をされたかというと、身体の機能をほぼすべて停止させられました。やがて心臓も止まって死に至る。
そんな極限状態の中で、肉体、内臓はおろか、筋肉、神経、血管に至るまで身体を深く理解しつなぎ回復していくことで、身体の機能を100%使いこなせる雲体風身を身につけていったというわけです。

出典:m106.org/blog/sakulog

無意識のうちに身体がかけている制約の根源、細かなつながりやしくみの部分まで「見える化」し、適切な作用をおよぼすことでパフォーマンスを最大化している、ということですね。

さて、この考え方は仕事にも応用が効きます

管理職をやっていると常々気になるのが

  • 全体から見た現在位置
  • スケジュール遅延の有無
  • コストの消化スピードと今後の見通し
  • チームメンバーの心身状態と期待値
  • クライアントからの期待値
  • 社内外のステークホルダーの動き
  • すぐに手を打つべき課題事項とその対応状況
  • 先々で阻害要因になりうるリスクとその対応方針

など、いわゆるプロジェクト管理・チーム管理に必要な情報のワンセットです。

プロジェクトは生き物です。
立ち上げればあとは自動運転でうまくいく、なんてことは絶対にありえません。
常によりよい方向に進めるよう制御する必要があります

ここで重要なのが、見えないものは管理・制御できないということ。

上に挙げた情報を定期的に「見える化」しないと、そもそも今の状態がいいのか悪いのかすら把握できませんし、なにか手を打ってもその効果がわからず途方に迷います。

また、適切な打ち手を考える際にも「見える化」は重要です。
特に「何をしたらどうなる」という因果関係が見えないことには打ち手の効果のついて仮説すら立てられません。

このように、「見える化」は仕事を効率的に正しく進める上でとても重要なファクターです。

特にプロジェクトが大規模になれば、適時適切な「見える化」を通じたプロジェクト管理の優劣がチームのパフォーマンス、ひいてはプロジェクト成功の鍵を握ります。

身体の細部まで理解=「見える化」することで身体のパフォーマンスを最大限引き出す、という雲体風身のしくみは、まさにプロジェクト管理・チーム管理を通じてチームのパフォーマンスを最大化するという文脈における「見える化」の重要性と重ね合わせることができるのです。

雲体風身における関心の輪と影響の輪

「見える化」のもう一つのメリットは、自分の影響力の限界を知ることができることです。

「見える化」したからと言って、見えるものすべてが制御可能とは限らない場合がほとんどです。

これは名著「7つの習慣」「第1の習慣」において「関心の和、影響の輪」として説明されています。

  • 影響の輪:自分が直接的もしくは間接的に影響を及ぼせる範囲
  • 関心の輪:自分が関心のあるもの(見えているものの)の範囲

http://www.franklinplanner.co.jp/learning/selfstudy/images/ss-11.gif

出典:www.franklinplanner.co.jp

「見える化」を通じて登場人物やものごとの因果関係、相互作用を知ることは、自分の影響の輪の範囲をざっくりと把握することにつながります。

自分の考えるべき範囲が明確になることで、自分ではどうしようもないことに対して思い悩み、打ち手を考えるという無駄をしなくてよくなります

どうにもならないものをどうにかしようとしない。いろいろと思い悩んでしまいがちな方が見落としやすい、生産性アップの大事なポイントです。

雲体風身の場合は対象が自分の身体なので、たまたま関心の輪=影響の輪、ということだった、ということですね。

まとめ:雲体風身はマンガの技だが深堀れば学べる

以上、マンガの技をほじくり返して仕事に活かす気づきをひっぱり出してみる思考実験でした。

ルフィの仲間力」や「スラムダンク勝利学が一時期流行したように、日本のマンガやアニメは逸話の要素が色濃いものが多く、学びを得やすいように思います。

ただエンタテインメントとして消費するもいいですが、一歩立ち止まって自分はこのマンガやアニメから何を得たのかを考えてみるとすこし違った地平が見られるかもしれませんね。

今回は以上です。

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