こんにちは、NAEです。
体調を崩してからの初出社。相談の結果、当面は午前もしくは午後のみの時短勤務になりました。
相談先であるプロジェクト直属の上司が体調優先と言ってくれたためです。
で、驚いたのが、その人も3年前にぼくと同じ状況に陥っていたということ。
そして彼が激務を生き残るためのヒントを教えてくれましたので共有したいと思います。
炎上プロジェクトの火消し職人である上司
その上司は、並々ならぬ馬力と精神力でこれまであまたの炎上プロジェクトの火消しをしてきた実績ある人です。
今回ぼくとセットで炎上プロジェクトに招聘され、二人三脚でプロジェクトの立て直しをはかってきた、戦友のような存在でもあります。
ぼくが体調を崩して倒れたその日、体調不良の連絡を入れたその瞬間、まっさきに
「今日は休め。というかしばらく休め。これ命令。」
と言い切ってくれた人でもあります。
激務の終わりは見えたが、今はまだ君が必要だ
そんな上司と、今後の動き方について話してきました。
ここ数日のできごとをありのままに伝え、頭は60%くらいしか回転しないこと、フル稼働は難しそうであること等を伝えてきました。
うん、うんと頷きながらぼくの話を全て聞いたあと、彼は静かに語りかけてきました。
「状況はわかった。まず1人の人間として、君には休んでほしいと思っているし、休むべきだと思っている。」
「プロジェクトの状況はまだ厳しい。でも一番はじめのキツい時期は乗り越えつつある。」
「もう少しすれば、ぼくや君のようなIT戦略のプロでない他の人にも仕事を任せられるようになる。」
「それまでは、申し訳ないが、君の助けがほしい。」
激務に戻れとは言わない。貢献の仕方を変えてほしい
「とはいえ、体調のことを考えると、君には少し違う形でこのプロジェクトに貢献してもらいたいと思っている。」
「これまで君はクライアントの前に立ってゴリゴリ検討をリードしてきた。これからはその役目はぼくが引き受ける。というか、もうそういう動きになっている。」
「しかし、いきなりすべてを引き受けるにはいささか心もとない。コミュニケーションのクセとか、細かなところで足りないモノがたくさんある。」
「君にはそこをカバーしてもらいたい。簡単に言うと、後方支援部隊として動いてほしい。」
「これまでクライアントについて知り得た知識やコミュニケーション上のノウハウをもって、ぼくの作る資料をレビューしてくれないか。」
「もちろん、出勤がキツければ在宅でも構わない。そこは君の好きなようにしてくれていいよ。」
火消し職人も、同じ過去をもっていた
おそらく、彼の中にはもう答えがあったのでしょう。
リーズナブルであることこの上なく、ぼくの体調にも無理を強いない提案。ぼくはただ、「承知しました」としか言えませんでした。
続いて彼の口から語られたのは、同じ境遇におちいった過去の話でした。
「実は3年前、ぼくも君と同じように体調を崩して心療内科送りになったことがあった。今でも覚えてるよ。あのときは本当につらかった。」
「最初にぼくの異変に気づいたのは仲のいい同僚だったよ。お前全然だめじゃん、キレッキレの頭はどこいったんだよ、と言われたよ。」
「たとえば課題を論点に掘り下げるとき、普段であれば4段階くらいは余裕で深掘りできるのに、そのときは2段階目で限界だった。」
「体調不良はなかったから仕事を続けたけど、プロジェクトが終わった直後にうつ病っぽくなってしまってね。心療内科に行ったら大当たりだった。」
「だからこそ君の変化には気づいていたよ。一緒にこのプロジェクトに来た当初、ぼくの思考スピードについてこられるのは君だけだった。でもほら、今は見る影もないじゃない。」
「もう少し早く休めと命令すべきだった。君は休むべきだ。上は黙らせておく。ていうか休めと命令した既成事実は作ったから、もう何も言わせないけどね。」
そう、ぼくが体調不良の連絡をしたとき彼がいの一番に「休め」メールを飛ばした理由。
それは、彼の優しさであり、ほかに何人もいるお偉方に口を挟ませるスキを与えないためだったのでした。
激務を生き残るための、たったひとつのヒント
「あとひとつ教えてあげるよ。こういう炎上プロジェクトでも生き残るためのヒント。」
「ぼくってあまり仕事とプライベートを分けてないんだよね。実家が自営業だったから昔からそういう環境だったってのもあって。」
「だからかわからないけど、仕事やプライベートを問わずいろいろなところに小さな心の置き場所を作るように自然となってる。仕事仲間とプライベートでも仲良くして、まるで仕事場にプライベート空間があるみたいにする、とかね。」
「そうすることで、小さな幸せを感じるためのポイントが増えるんだよね。たとえばほら、この写真。翌日が役員報告で超忙しいときなのに深夜に後輩と一緒にシン・ゴジラ見に行っちゃったときの写真。これマジ楽しかった。」
「激務でも、気のゆるせる友人と一緒にいると心がやすまるんだよ。まあ君はマジメくんだからぼくのスタイルが合うかわからないけど、参考にね。」
話を聞き終わり今後の動き方を確認したぼくは、軽く資料のレビューをした後、プロジェクトルームを後にしたのでした。
まとめ:激務を生き残るには、心の器に抜け道を作ること
というわけで、火消し達人の炎上プロジェクトサバイバル術のご紹介でした。
心は器。ストレスは器に注がれる水。パーッとストレス発散するのが器をひっくり返すことだとすると、小さな心の置き場所をたくさん作るのは器に小さな穴を開けるようなものなのでしょう。
仕事は仕事、プライベートはプライベートときっちり分けるタイプのぼくにとって、少し新鮮な話でした。
火消し役はごめんですけど、こんな上司にぼくもなりたいなと感じた出来事でした。
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