人生は神ゲーだ。だから超楽しいし楽しまないと損だ。
そういうコピペが話題になったことがありました。2012年のことです。何年も前ですが今でも大好きなコピペです。
人生を前向きに捉えるという文脈のものなのですが、ぼくはこれを異なる始点で捉えています。
「人生は神ゲー」コピペ全文
あまりにすばらしすぎるコピペです。全文、引用させていただきます。
人生は神ゲーだ。
本気でがんばるとぎりぎり倒せるように絶妙のバランス調節がされた敵。
単純作業じゃ効率が悪いけど、工夫次第でどんどん効率を上げられる経験値システム。
リセット不可の緊張感。でもシレンとかよりずっと死ににくいからあんま気にする必要なし。つーか普通のゲームでもリセットなんて邪道じゃん。
全てのキャラが深い人間性と歴史を持って登場する、圧倒的リアリティ。
グラフィックが綺麗すぎ。多分、無限×無限ピクセルで、毎秒無限フレームで動いてる。色も多分無限色使える。夕焼けとかマジありえねー美しさ。
BGMの種類がほぼ無限。選曲も自由。自分で作った曲を流すこともできる。人間が作ったとは思えない、とんでもなく複雑で洗練されたシナリオ。
リアル出産システム採用。自分と、自分よりも大切に思える相手の遺伝子を半分ずつ受け継いだ、奇跡のようなキャラを生み出して、そいつに自由に色々教えて育てることができる。
すごく嬉しいし、ちょー楽しい。ネコっつー生き物が登場するんだけど、これがちょーかわいい。
食いきれねーほどの種類の料理があって、超うまいものが時々食える。
説明書が無く、仕様が明かされてないから、自分でデータとって仕様を推測するしかない。これがまたとんでもなく高度に洗練された仕様になってるっぽくて、なかなか正確には分からん。
だから、とりあえず大雑把に推定し、それに基づいて行動して、データを取りつつ徐々に予測値を修正していく必要がある。
これがまた楽しい。徐々に明らかになっていく世界観。
未だに明らかになってない謎が山盛り。
友達と一緒に協力して遊べる。
無料。
本気で自分を愛してくれるキャラがいたりする。
ゲーム内で別なゲームやったりアニメ見たり出来る。エロゲと違って、主人公の勝手な行動でフラグが立つことがない。
登場キャラと本当に心を 通わせることが出来る。
信じがたいほど深い感動を味わえるイベントが結構ある。もちろん本気でやらないとフラグを無駄にするだけだが。 こんなとてつもない神ゲーを糞ゲーとか言ってる奴は、本気でこのゲームをやったことがない奴だけ。
まあ、一切がんばらずにクリアできるようなヌルゲーばかりやってる奴には、このゲームはちょいとハードかもしれんがな。でも一端ハマった奴はみんな、このゲームを辞めたくないって言ってるぜ
人生はゲームである。そう捉える利点
人生はゲーム。成長や育成、目の前の景色や耳に入る音楽、食べ物や登場人物、あらゆるものがすばらしい。
そのような趣旨で書かれているこのコピペですが、素晴らしいのは人生をゲームというフレームで捉える発想です。
ゲームはシンプル:ものごとをシンプルに捉えられる
ゲームの世界は、現実世界を抽象化・シンプル化したものです。
ゲームに当てはめるとものごとがシンプル化されてすっとわかりやすくなります。
先日書いたこちらの記事でも、課題やリスクをRPGの敵に例えてお話しました。
先ほど「課題やリスクはゴール達成を妨げる敵だ」と言いました。
さて、RPGで例えると敵=自分たちの冒険を邪魔するキャラですね。いきなり現れて、物理攻撃や魔法攻撃、状態異常などを駆使して自分たちに被害をおよぼそうとしてくるヤツ、いわゆるモンスターです。
ではここで問題。ドラクエ4に登場するホイミスライムのホイミン。彼はモンスターですが、敵でしょうか?
違いますよね。彼は仲間です。敵ではありません。なぜならば、彼はぼくたちに害をなさない=実害がゼロからです。
また、ラスボスと戦えるくらいまでレベルが上がっている状態で目の前にスライムが現れたとします。
わざわざ戦うのも面倒だし、攻撃されても受けるダメージはどうせ1だし、実害はないので逃げるコマンド連打で済ませる。
こういった判断ができるのも、実害の大きさを理解しているからこそなのです。
仕事で扱う課題やリスクは往々にして複雑になりがちです。様々な要素が絡まって、シンプルに捉えることが難しくなる。
そこにゲームという始点を持ち込むことでシンプル化する。すると一気にわかりやすくなります。
ゲームは楽しい:世界は楽しいと捉えられる
次に、ゲームは「楽しい」要素を全面に押し出している。だからおもしろいし、やっていて飽きない。
ならばゲームの世界観を現実に逆輸入すれば、人生そのものも楽しいと思えるのでは。そんな発想だってできるはずです。
自分の色メガネを変える、事実に対する解釈を変える。そうすれば世界は素晴らしく見えてくる。
これはまさに名著「嫌われる勇気」で紹介されているアドラー心理学で言うライフスタイルの考え方です。
同じアイデアは、心理カウンセラー心屋仁之助さんの著書「あなたの性格は変えられる」でも語られています。
「認知⇒解釈⇒行動」という人の行動サイクルにおける「解釈」、つまり色めがねを変えることで、自分にしみついたマイナスの思考回路を変えていきましょう、というお話です。
人世はゲーム。これは少し違う観点で捉えてみると
一方、ぼくはこの「人生は神ゲー」というコピペを少し異なる観点で捉えています。
人生はゲームなのだから、多少失敗してもやり直しは効く。大きな失敗で戦闘不能になっても、所持金や体力が減ってしまうだけで、また立ち上がれる。
特に仕事という点においては、自分は一人ではなく、助けてくれる仲間やパーティーがいる。自分が動けなくなっても仕事は回るし会社も大丈夫。
本当に気をつけなければいけないのは、厄介な状態異常、そして復活できない死亡だけ。
少しうがった解釈であることは否定しません。でも、そういうことじゃないですか。
失敗しても大丈夫。元経営者の父の言葉
こう考えるきっかけになったのは、元経営者の父の言葉です。
外資系コンサルティング企業に就職することにしたと父に報告した時、いの一番にこう言いました。
「おめでとう。厳しい道だと思うが頑張りなさい。」
「だが気をつけてほしことがある。お前は真面目すぎる。責任感を感じすぎる傾向が強い。」
「だから覚えておいて欲しい。お前が仕事で失敗したからって、北朝鮮からテポドンが落ちてくるわけじゃないからな。」
まとめ:失敗しても大丈夫だから、潰れないでください
というわけで、仕事で責任を感じすぎて潰れないようにというお話でした。
人生は神ゲーのコピペ、そしてなにより父の言葉のおかげで、ぼくは外資系コンサルティング企業という厳しい世界でも潰れずにまだ生きていられています。
この記事で心が救われる人がいれば幸いです。
あ、でも最低限の責任感は持つべきだし、失敗したらリカバリするといったマインドや姿勢は大事です。
あくまで考えすぎて潰れるのは避けましょう、ということで。
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