みなさん、朝に仕事場に入ってきたとき、「おはようございます」って挨拶してますか?
ひとり黙って自席に座って作業開始……というのは、実は仕事効率の観点からも、かなりもったいないです。
今回は、少し小学校チックではありますが、地味に仕事の効率に効いてくる「朝の挨拶」について、お話したいと思います。
なぜ朝の挨拶が仕事の効率に効くのか
仕事は、「決断」「連携」「作業」の3つから構成されています。
ホワイトカラーが組織で仕事をするとき、特に生産性に影響を与えやすいのが「連携」の効率です。
現場レベルで「連携」の効率を阻害する要因は3つの「話しづらい」です。
- なんだか雰囲気的に、話しづらい
- 普段話さない人の反応が不安で、話しづらい
- ハキハキ言えるか不安で、話しづらい
朝の挨拶は、コミュニケーションの風通しをよくするきっかけになるので、遠巻きながらこれら要因を間接的に潰すことが期待できます。
「自分はここにいていいんだ感」が出る
「自分なんかが話しかけてしまっていいのかな……」
「ちょっと雰囲気的に話しかけづらいな……」
このように、そもそも人と積極的に話す気分になれない大きな原因は、安心感の欠如です。
自分は職場にいてもいい。そんなものすごくベーシックな安心感すらない中で仕事なんて辛すぎますし、安心感≒自信がないとコミュニケーションなんてすぐに糞詰まります。
そんな人にとって、「話しかけたらポジティブな反応が返ってくる」という体験だけでも、小さな救いになっていくもの。
「仕事は微妙だけど挨拶だけは元気でGoodだな」と思ってもらうだけでも、結構気が楽です。(若手時代のぼくです)
「はじめの一歩」が軽くなる
「普段は話さない人にいきなり話しかけるなんて、ちょっと気が引ける……」
「一度話をはじめればスルッと話せるんだけど……」
このように、話しかけることそのものがハードルになる原因は、各自が自分に仕事に集中しすぎて「話してくれるな」な重たい雰囲気が蔓延していることが多いもの。
これを解消するには、まず話しかけることが容認されている雰囲気を作ってあげることが重要です。
その1つの手段として、「朝の挨拶」は話せる雰囲気作りのきっかけになるので、「はじめの一歩」を軽くする効果が期待できます。
物理に的に声を出しやすくなる
「ハキハキ話せなさそうで恥ずかしい……」
「いざ話すとなると声が詰まってしまって……」
このような場合、そもそも話すための準備運動ができていない可能性があります。
ぼくも一人暮らし時代に仕事の事情で3日連続で完全一人作業をしたことがあり、外食で「Aセットください」などと言う以外は一言も発さなかったことがあったんですが、4日目に出社したときは本当に声が出しにくかった覚えがあります。
もちろんこれは極端なケースではありますが、朝に一言、声を張って「おはようございます」と言うだけでも、ハキハキ話すための準備運動になるのでは、と思います。
実際に朝の挨拶をやってみて変わったこと
コンサルって結構ドライなので、決めることだけ決めたらあとは1人作業、みたいになることが多いです。
しかしこれだと、進め方みたいなHowの部分で詰まる部下の子がいたりして、意図せずに「下手の考え休むに似たり」みたいなシーンも出てくるんですが、各人かなり集中して作業してるので「話しかけづらい」雰囲気ができあがりがちでした。
そこでためしに「朝の挨拶」で少し雰囲気を変えてみたんですが、結果、チーム全体としてはいい方向に進んだように思います。
一人ひとりの「作業」の総量は減った
朝の挨拶には、たしかにコミュニケーションを促進する効果がありました。
これまでお互いにあまり話してなかった部下の子たちが、すこしずつローカルで議論をするようになっていったんです。
もちろん、話しやすくなったぶん、話す機会や時間が増えていき、一人ひとりが作業にあたる時間は減ったように感じます。
チーム全体の「生産性」は上がった
その一方、チーム全体としての生産性は上がったように思います。
定量測定していないので数字では言えないのですが、たとえば
- ピアレビュー(同僚同士のレビュー)の機会が増え、成果物の品質が底上げされた
- 近くの上司に早い段階でカジュアルにレビューを頼めるようになり、手戻りが少なくなった
のような効果がありました。
「1人で頑張る」から「みんなで解決」へ
要するに、これまでは各人の能力に依存した「1人で頑張る」型だったところが、お互いに話しやすい雰囲気になったことで「みんなで解決」型に少しずつシフトしていきました。
結果、感覚的には「1+1=2」が、「1+1=2.5」くらいにはなったかなと感じています。
このままうまくやれば「1+1=4」とかになっているんでしょうか
実際にやってみた朝の挨拶ルール
やったことはとても単純です。
する側:恥ずかしがらずに声を張る
オフィスの自席に入るとき、少し声を張って
「おはようございまーす」
と言ってもらう。これだけです。
される側:相手の顔を見て返事をする
むしろこっちが大事で、挨拶された側はPCから目を離し、相手の顔を見て
「おはようございまーす」
と返答します。
だって、目を見ずに返事する=「テメエの存在は手前の作業より優先度クッソ低いんだよ邪魔すんなコラ」ってことじゃないですか。
これじゃ安心感もなにもあったもんじゃないので、ここは徹底させました。
チーム立ち上げor合流初期に有効だが……
とはいえ、「朝の挨拶」は長く続けるとダレて形骸化します。仕事のコミュニケーション効率にまつわる問題を全部解決する銀の弾丸ではありません。
効果があるのは
- 挨拶をはじめて1ヶ月くらい
- チームの立ち上げ初期
- チームに合流した当初
くらいのものなので、長く一緒に仕事を続けるなら、挨拶だけでなく、スキマ時間での雑談やおみやげ手渡しなど、もろもろ手を打つ必要があるでしょう。
まとめ:小さいことから始めよう
以上、「朝の挨拶」が結構よかったので、やり方とやった結果を共有してみました。
コミュニケーションが糞詰まるのは、血液がどろどろで循環が悪くなるのと同じ。いくら1つ1つの身体のパーツが効率よく働いても、循環が悪ければ全体のパフォーマンスはあがりにくくなってしまいます。
「朝の挨拶」は全部を解決するものではありませんが、ものすごく単純ですしコスパも良く、やめようと思えばすぐやめられるので、もう少しだけチームの生産性を上げてみたい管理職の方は一度、ためしてみませんか?
組織の風通しをよくすることで全体の生産性をあげるのも、管理職の大事な仕事です
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