すべてのはじまりは上司からの無茶ぶりでした。
3倍の早さで仕事をしろと。
そのためにぼくがやったことをまとめます。
明日から3倍速く仕事してね
夕方過ぎ、とあるプロジェクトの現場にて。
上司「NAEくんさあ」
ぼく「はい」
上司「明日から今の3倍の速さで仕事してよ」
ぼく「冗談きついっす」
上司「えっ、なんで?NAEくんならできるって」
ぼく「えっ」
上司「というわけで考えておいてね♡」
ぼく「・・・」
3倍早く仕事するための方法
業務命令ではあるので、やるしかありません。
むげに「無理っす」と言うのもかっこ悪いしムカつきます。
仕事の早さを3倍にする。つまり締め切りを1/3にしろということ。
これは仕事のやり方を変えるしかない。
そう思ったぼくは3つの点で仕事の高速化を試みました。
1.段取りを考え尽くす
まずは段取りをつけ、仕事の着地までを見据えること。
この最初の筋道のあるなしで進みの早さや手戻りリスクの大きさが全く違ってきます。
どんな仕事であれ、
- 解決するべき課題(イシュー)とゴール
- それに向かう段取り(アプローチ)
の2点を明らかにすることで、最短距離を見極めて無駄なく進むことを目指します。
よく「すべての仕事には意味がある」とよく言いますが、むしろ「意味がある仕事しかしてはいけない」という勢いで組み立てていきます。
とはいえ、仕事を始める段階ですべてを見通すのは難しいので、最初は前提つきの仮説でも構いません。
仮説が間違っていたらその時点で方向修正を行えばよいのです。
前提が変動するリスクも一緒に考えておけば完璧。
また、識別したタスクを全部自分でこなさず、不得手な部分は遠慮無く人の助けを借りるよう段取ります。
ただしコミュニケーションにかかるオーバーヘッドが得られる効果を超える場合は自分でやってしまうようにします。
これで2倍。
2.ベストプラクティスを愚直に実行する
段取りがついたら、あとは個別のタスクをいかに効率的にこなすかを考えます。
調査にしろ資料作りにしろ、どんな作業でも先人たちが見つけた最も効率的な手段=ベストプラクティスがあるものです。
それらは自分のスタイルと違うかもしれません。
しかし、もしそのこだわりが成果やスピードに貢献しないならすぐさま捨てる。
愚直にベストプラクティスを実行していく方が効率的である場合が多いのです。
集中力アップや行動を早める方法論、マクロによる自動化など、ベストプラクティスを愚直に実行すれば効率はどんどん高まっていきます。
特に、何かアウトプットする前に頭の中でそのイメージを精緻化しておくというベストプラクティスは効果が高いです。
タイピングや作図等、考えた内容を形にする作業は頭で考えるスピードに比べるときわめて遅い。
頭の中でイメージを固め切ってから一発で作るだけでも、全体の時間短縮につながります。
これで2.5倍。
3.コミュニケーション・オーバーヘッドを極小化する
最後に合意・承認プロセスのショートカットを考えます。
自分が作ったアウトプットが成果物として最終化されるにはキーパーソンとの合意や承認が必要です。
となると、主なオーバーヘッドはキーパーソンのスケジュール確保。こいつをショートカットしまくります。
ことある毎にキーパーソンをつかまえ、その時点版の資料を見せてフィードバックをもらいに行きます。
箇条書きや手描きであったとしても、方針レベルの合意ならできるはずです。
かの有名なパレートの法則は仕事効率においても成り立ちます。すなわち、品質の80%は20%の時間で出るのです。
20%くらいの時間がたった時点で大筋での合意が取れる品質に到達している可能性は高いでしょう。もしそれで済めば残り80%の時間は省略できるのです。
状況が許せば、コミュニケーションパス(承認フロー)をすっ飛ばすことも考えます。
例えばメンバー合意、リーダー合意、ディレクター合意、という段取りがあるとしましょう。
その場合、早い段階で直接ディレクターに持って行き、先出しで意思を聞いておきます。
失礼であろうが、結果がついてくればどうせ誰も文句は言わないので、神経を図太くもってあたりに行きます。
これで3倍。
仕事を3倍速くするのに魔法はいらない
これらのテクニックは魔法の杖でもなんでもない、基本技の応用にすぎません。
目の前の仕事や課題を一発で片付けてくれる、都合の良いツールはこの世にないのです。
あるのは使える武器を増やし技を鍛える愚直な修行と、それを実際に行う覚悟のみです。
まとめ
以上、3倍速く仕事しろという無茶振りに対するぼくの答えでした。
パッと見て無理難題に思える「3倍速く」でも意外とやりようがあるもんです。
主に戦略系の仕事(ステークホルダーが合意すればよいもの)でこれらの方法は使えると思います。
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