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出世する人が満たしている3つの条件と、15の行動様式

Up or Out アップ・オア・アウト キャリアアップ

アイツは出世しているのに、なぜ自分は昇進できないのか?

「アイツ」が出世できた理由は、本人の性格や特徴、上司との相性などでは決してありません。

違うのはただ一つ、動き方です。

今回は、理不尽や不公平感に納得できない人、次こそ出世・昇進を決めたい人に向けて、ぼくの知り得た「アイツ」が出世できた理由「3つの条件+15の行動様式」として紹介します。

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条件1. 仕事の動き方の基礎を愚直に守る

出世する人は、以下に紹介する仕事の動き方の基礎を愚直に実行しています。

マインドができ上がっている、と言いかえてもいいかもしれません。

5つのポイントを紹介します。

1) 目的指向である

出世する人は、目的指向で動きます。

自分の一挙手一投足はビジネス目的の達成のためであり、だからこそ、「目的達成のために、今なにをするべきか」を常に問うているのです。

気分にかまけた考えなしの行動が目的達成をはばむなら、自らを律します。

喉まで出かかっている言い訳や言い逃れを飲み込みます。

正論を言いたくても、目的達成に貢献しないなら、無理に振りかざしません。

ミスや不利な状況を嘆く時間は最小限に、すぐ未来に視点を移し、今どう動くべきかを考えます。

2) 仮説検証・提案型で動く

出世する人は、仮説検証・提案型の動き方をしています。

正しい動き方が見えづらい困難な局面でも、限られた情報から勝ち筋の濃い仮説を立て、それを検証するのです。

仮説の検証に足りない情報があれば、自ら探しにかかります。

こうして、ただの指示待ちでなく「次はこうしたい(こうすべき)」を常に頭の中に置くのです。

だからこそ、上司に対しても「次はこうしましょう」と提案する動き方ができています。

3) 人の時間の価値を知っている

出世する人は、人の時間に対するコスト意識をもっています。

日々の行動や進捗を上司に都度報告するのは、仮に自分のやっていることがズレていた場合の時間ロスを最小限におさえるためです。

メールや電話のレスが早いのは、待たせる=相手の時間(資源)を奪うことだと理解しているからです。

会議の時間や人数を最小限のおさえようとするのは、水ぶくれした会議はコストの垂れ流しにすぎないことを知っているからです。

人の時間の価値を知ることは、後述する「チームの成果へのコミット」の基礎をなすマインドでもあります。

参考 あまりに簡単すぎて誰もやらない「アウトプットにかけるコスト」の計算

4) 誠実に、勇気を持って、正しいことを言う

出世する人は、誠実かつ勇気をもって、正しいことを言います。

社内政治にまみれてビジネスゴールが遠のくような意見を上司が通そうとしていたとしたら、正直に諌めます。

周りの目に気を使うあまり正しい意見を封じてしまうのは悪だと知っています。

ビジネスゴールの達成に資する意見を持っているなら、上司にも同僚にも萎縮せず、勇気をもって話すのです。

5) ルールやマナーの重要性を知る

もちろん、基本的なビジネスマナーやルールはきちんと守ります。

あいさつをする、時間を守る、期限に遅れない。

こういった細かな部分から信頼が積み重なることを、出世する人ほど理解しています。

条件2. 個人の成果にコミットし、上司に楽をさせる

出世する人は、個人としての成果にコミットしています。

成果達成になにが必要か識別し、足りないものを調達したうえで、最後までやりぬくのです。

加えて上司の視点を先取りすることで、上司に口出しさせない動き方をしています。

ここでも、5つのポイントがあります。

6) 仕事の全体像を捉える

出世する人は、仕事の全体像を捉えています。

仕事の全体像を構成するのは次の2点です。

  • 「仕事の骨格」:目的(Why)、成果(What)、手段(How)からなるピラミッド
  • 「全体計画」:上記を時間軸にプロットしたもの

仕事の全体像は、個人個人の担当する仕事の「背景」や「文脈」、「前提事項」とも呼べるものです。

これらを踏まえずに目の前の作業だけをこなすことの危険性を、出世する人は深く理解しています。

参考 「全ての仕事には意味がある」の本当の意味

7) 仕事の構造と自分の責任範囲を掌握する

出世する人は、自分の仕事の構造と責任範囲を掌握しています。

自分がいったい、なにをいつまでに作るか、どう作るか。仕事の全体像のなかでどのような役割を担うのか。誰からインプットをもらい、誰へアウトプットするのか。自分がミスをしたら誰に、どのような影響が及ぶのか。

出世する人は、大きな仕事の流れの中で自分が果たすべき役割と、その果たし方を把握したうえで、仕事に臨んでいます。

8) 自分の能力とリソースの限界を知る

出世する人は、自分だけでは役割を完遂できないことを知っています。

能力や自己評価が低いわけではありません。

自分の持つリソース(能力と時間)で、なにがどこまでできるのか、正しく認識しているにすぎません。

だからこそ「なすべきことと、できることのギャップ」を識別でき、それをどう埋めるかを考えることができます。

9) スキル・リソース調達の重要性を理解する

出世する人は、必要なスキルやリソースを調達する重要性を理解しています。

「なすべきことと、できることのギャップ」を埋めなければ、課された仕事は成し遂げられないからです。

不足しているスキルを自ら学ぶことで、スキル面での不足を埋めることを厭いません。

人手が足りなければ、人手を確保すべく上司にかけあい、メンバーの手を借りる算段を進めます。

出世する人は、このような動き方を、指示されずにも主体的に行っているのです。

10) 上司が自分の仕事に集中できる状態を作る

出世する人は、こうして自分自身が自走することで、上司が上司の仕事に集中できる状態を作っています。

上司の本来のミッションは、部下の能力では力不足な仕事の実行、部下がのびのびと仕事できる環境づくり(リスク管理を含む)、そして適時適切な判断の3点にあります。

進捗の遅れた部下の仕事を巻き取ることや、部下のミスのリカバリは、部下が自分の役割を完遂できるなら発生しない「尻拭い」にすぎません。

この「尻拭い」をゼロにすることを、出世する人は強く意識しているのです。

条件3. チームの成果へコミットし、上司を昇進させる

しかし、自分の成果にコミットすることで上司の「尻拭い」をゼロにすることは、出世の必要条件にすぎません。

十分条件を満たすには、チームの成果へもコミットしなければならないこと、出世する人は理解しています。

つまり、自分だけでなくチームの成果にもフォーカスし、チームの生産性を上げるという、上司のような動き方ができているのです。

ポイントは、5つあります。

11) 視野を広く、視点を高く持つ

出世する人は、視野が広く、視点を高く保っています。

自分の仕事だけを見る視野狭窄に陥ることなく、上司の目でチーム全体を見るのです。

場合によっては2つ上の視点、つまり「上司の上司」や「客の上司」の視点で考えることもあります。

こうすることで、まるで観客がサッカーの試合を見るように、チーム全体の動きを捉えます。

12) コミュニケーションを円滑にする

出世する人は、コミュニケーションがいかにチームの生産性に影響するかを理解しています。

一人で作業を行うなら、作業効率だけを追求する職人肌の一匹狼でもいいのかもしれません。

しかしチーム全体の生産性を上げるには、メンバー同士の連携、つまりコミュニケーションの効率アップが欠かせないのです。

互いに話しやすい雰囲気を作るだけでなく、コミュニケーションの段取りなどにも気を使います。

チームの人間関係を円滑にするために飲み会を企画するのも、よくやる手です。

参考 仕事の飲み会は仕事効率化に効果的だから行ったほうがいい

13) 適材適所を見極める

出世する人は、チームメンバーの役割分担にも気を使います。

適材適所がチーム全体の生産性アップに効くことを理解しているのです。

たとえば下記のように、一人ひとりが得意。不得意にあわせた作業分担を提案したりします。

  • コミュニケーションに長けた人には、難しめな調整ごとを頼む
  • 一人作業で圧倒的な生産性を誇る人には、データ分析を頼む

加えて、価値の小さな雑務を上司から積極的に奪うことも適材適所の1つであると、出世する人は考えます。

時間単価の高い上司には、上司にしかできない価値の高い仕事に集中してもらう。一方、上司より時間単価の低い自分は、相対的に価値の低い雑務を上司から引き取る。

こうして費用対効果の高いチームを作ることで、チームの「コスパ」を上げていく動き方をするのです。

14) 上司を動かす

出世する人は、上司に動かされるのではなく、上司を動かします。

上司のことを、チーム全体で抱える仕事を円滑に進める「ツール」だと思っているのです。

たとえば、自分が言うより上司が言う方が通りやすいなら、上司に「言ってください」と依頼します。

メンバーが直接、他部署のメンバーとやり取りするより、リーダークラスで合意したほうが進みが早いなら、上司に「合意取り付けてきてください」と言います。

このように、チーム全体の生産性を考えた結果「上司を動かす」が必要だとわかった場合、相手が上司であっても臆さず動かすのが、出世する人なのです。

参考 上司を動かす!仕事の生産性を高める「ツール」として上司を使い倒そう

15) チームの成果を上げ、上司を昇進させる

こうしてチームのパフォーマンスが上がっていくと、早晩、上司は昇進を決めるでしょう。

そのとき上司は、「コイツなら自分の持っていた役割を担える」と思える人を後釜に選びます。

ここで一番に目に入るのが、すでに上司と同じ視点でチームをマネージしている「出世する人」です。

つまり出世する人は、上司を昇進させることで、自分の出世を決めているのです。

注意点:会社の「出世の力学」に最適化しすぎない

もちろん、出世する人になるには、仕事がデキる・デキないに加えて、会社独自の「出世の力学」は無視できません

上司を最優先すれば出世しやすい、実績よりも自己アピールの上手さが評価される、かわいがられる部下ほど昇進が早い……など、さまざまなローカル力学があるのは事実です。

しかし、「出世の力学」は社内でしか通用しない能力であることを忘れてはなりません

出世を目指すあまり、社内政治をはじめとした「出世の力学」の取り回しに終始してしまうと、いざ社外に放り出されたとき、ただの「使えない人」におちぶれます。

会社に最適化しすぎないラインを保ち、環境変化に強い状態で上を目指しましょう。

参考 効率化しすぎる弊害とは?超えてはいけないラインの見極めかた

まとめ:出世を決めるのは、行動である

以上まとめると、出世する人は

  • 仕事の動き方の基礎を愚直に守っている
  • 個人の成果にコミットし、上司に文句を言わせない
  • チームの成果にコミットし、上司を昇進させる

という動き方をしています。

重要なのは、これらはあくまで「動き方」である点です。

もしあなたが「出世する人」を指差して、本人の性格や特徴、上司との相性や外部環境などを理由に「アイツは特別だ、ラッキーだ」と言っているとしたら、それはただの言い訳にすぎません。

出世する人は、あなたの見えない場所で、出世するに足る「動き方」を学び、実践し、習慣化することを通じ、自分を磨き続けてきた。それだけなのです。

 

さて、あなたは「出世する人」になりたいでしょうか。

そのために、なにをいつまでに身につけるべきでしょうか。

それに向かって、1ヶ月後、1週間後、1時間、そして1分後、どう行動しているべきでしょうか。

 

本記事が、あなたの出世の一助となれば幸いです。

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