「部下である自分の仕事は、上司の指示をこなすことだ」
「上司の指示に対し、期待をこえる成果を出すことが自分のミッションだ」
若手社員のひとはこう考えがちですが、これはとてももったいないと思います。
なぜなら、おそらく仕事の楽しさが頭打ちになっているはずだから。
仕事の楽しさをもう1ランクアップするには、逆に上司に指示し、ツールとして使うスタンスを身につける必要があります。
……というわけで今回のテーマは「上司を動かす」です。
上司を動かすべき理由
「上司を動かす」スタンスを覚え、使えるようになるべき理由は、仕事の自由度が一気に広がるからです。
仕事では「何を言うか」より「誰が言うか」
仕事においては、残念ながら「何を言うか」より「誰が言うか」がモノを言います。
いくら自分が良いことを言ったとしても、「部下であるあなた」が言う限り、通るものも通らないのです。
上司の「立場や権限」を利用できる
そこで上司の立場や権限を利用します。自分からでなく、上司から言ってもらうのです。
すると、たとえば
- 自分からは言いづらい、大きめの課題
- 部署をまたがりの、むずかしめな調整ごと
- 一発で決めたいコミュニケーション
など、自分が言うと波紋を呼びそう、もしくは自分が言っても通りづらいものごとを、スルっと進められるようになります。
上司を動かす、2つの方法
では、どうやって上司を動かすのでしょうか。
やり方は2つあります。
- 部下としてお願いする
- 上から目線で指示する
1.部下として「お願い」する
通常、「上司を動かす」というと「1.部下としてお願いする」ことを指します。
上司の立場や権限が必要なシーンを見極めたうえで、その都度、「○○していただけませんか?」と上司にお願いします。
- 「○○部との会議、出席していただけませんか?」
- 「○○の件、××(上司)さんから一言そえていただけませんか?」
このように、下から目線で上司にご登場を依頼する形なので、話は通りやすいですし、上司も動いてくれやすいでしょう。
ただし「お願いごと」にすぎないため、どうしても自分が小さな存在であると感じてしまうのがデメリットです。
2.上から目線で「指示」する
そこでもう1つの方法、「2.上から目線で指示する」の出番です。
上司に対して「あなたがやるべきはコレ。だからこう動いてください」と言いきります。
- 「○○部との会議、××(上司)さんの役割はコレなので、ここで△△と言ってください」
- 「○○の件、××(上司)さんが公式な場で△△と言わないと決まらないので、話を振ったら言ってください」
これはいわゆる突き上げにあたるものですので、やるには少し勇気がいるでしょう。
しかし「上司に指示」ができると、「自分がすべてをコントロールしてる感」が一気に高まります。
すると自由に仕事をしている開放感で、仕事が楽しく思えてくるのです。
したがって、仕事をもっと楽しくしたいなら、「2.上から目線で指示する」がベストです。
上司に指示を飛ばすのに必要な前提
とはいえ相手は上司。指示するには、一定の前提が必要です。
- 仕事の全体像を捉えていること
- 上司の立ち位置を責任範囲を理解していること
1.仕事の全体像を捉える
前提として、仕事の全体像を捉えることが必要です。
自分の仕事は会社の大きな流れの一部です。
流れの向きや目指すゴールを把握しないまま上司に指示しても、「的外れ」とはねつけられるでしょう。
仕事の骨格、つまりWHY/WHATのピラミッド構造は、前提として捉えておくべきなのです。(本件、下記記事でも触れています)
2.上司の立ち位置と責任範囲を理解する
次に、その「仕事の骨格」における、上司の立ち位置=責任範囲を理解します。
上司が何をどこまで決める権限を持っているのか、明らかにするのです。
すると、上司の「使える範囲」を導き出すことができます。
動かされる側の上司はどう思うか
と、ここまで部下側の観点でお話してきました。
では動かされる側の上司は、どう思うのでしょうか。
これは人によると思うのですが、特に悪くは思わないが大半ではないかなと思います。
なぜなら、部下が気持ちよく仕事に打ち込める環境を作ることが、上司の役割だからです。
のびのびと自由度高く仕事するために「××(上司)さんにコレをやってほしい」と上申してくることほど、上司として楽と思うことはないでしょう。
つまり上司も、部下からの提案(指示)を待っているんです。
部下だからといって遠慮しすぎることなく、上司にどう動いてほしいか、指示してみてはいかがでしょうか。
まとめ:上司は「ツール」である
以上、「上司は自分の仕事をスムーズに進めるためにツールとして使い倒せ」というお話でした。
ぼくの場合、
- 部下には自由に動いてもらう
- 動きにくいor迷ったと聞くとき、相談と称して「こうしてくれ」と言ってもらう
- 方針を示して、部下に引き続き動いてもらう
という立ち回り方をはじめてから、ぼくもチームもこれまで以上に動きやすくなる、良い循環が生まれました。
部下の立場の方は、ぜひ高い目線を持って、上司に指示するスタンスを試してみてください。
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